新型コロナウイルスの影響で、天皇皇后両陛下の令和初の外国訪問として予定されていた英国訪問は延期となってしまいましたが、日本の皇室と英王室には長い友好の歴史があります。
現女王のエリザベス2世は、1975年（昭和50年）に１度だけ、エディンバラ公とともに日本を国賓として訪問しています。
その初日である1975年５月７日に当時の昭和天皇・香淳皇后によって催された宮中晩餐会では、次のメニューが振る舞われました。
●スッポンのコンソメスープ
●海鱒の冷製 シャンベルタンワイン風味
●鶉の詰め物 ペルグーソース
●羊の腿肉のロースト
●季節のサラダ
●レモンの型詰めシャーベッ
●デザート
また、これに合わせて次の飲み物が供されました。
【乾杯酒】モエ・エ・シャンドン ドン・ペリニヨン（1964年）
日本でもよく知られている「ドンペリ」です。宮中晩餐会での乾杯は、いつも「ドンペリ」が用いられています。
ドン・ペリニヨン（Dom Perignon）という銘柄名は、シャンパンを発明したとされるベネディクト会の修道士ドン・ペリニヨンにちなんで名付けられました。シャンパンの中でも特に熟成年数の長い「ヴィンテージ・シャンパン」に属し、一番下のランクでも8年程度の熟成が行われます。また基本的に「ブドウの出来が良い年のみ仕込みを行う」ため、年によっては製造を行わない場合もあり、希少性のあるシャンパンです。
エリザベス女王に供された1964年産を現在入手することは非常に困難ですが、ドン・ペリニヨンはネットから購入可能ですので、是非一度味わってみられてはいかがでしょうか。
モンラッシェ（Montrachet）というのは、フランスブルゴーニュ地方産辛口白ワインの銘柄の一つで、「産地」とお考えいただければと思います。ピュリニー・モンラッシェ村とシャサーニュ・モンラッシェ村にまたがって、「モンラッシェ」のグラン・クリュ（特急畑）が点在しており、そこで生産されるワインは、大変質が高く、希少性もあります。
エリザベス女王に供された1966年産を現在入手することは非常に困難ですが、モンラッシェの各畑から生まれる一級品のワインがネットから購入可能ですので、是非一度味わってみられてはいかがでしょうか。
【赤ワイン】シャトー・ラフィット・ロートシルト（1964年）
シャトー・ラフィット・ロートシルト（Château Lafite-Rothschild）は、フランス・メドック地区ポーイヤック村にある著名なボルドーワインのシャトーの名であり、同シャトーが生産する赤ワインの銘柄の名称です。現在メドックに4つある第1級格付けワインの中で、シャトー・ラフィット・ロートシルトはしばしばその筆頭に挙げられています。
エリザベス女王に供された1964年産を現在入手することは非常に困難ですが、シャトー・ラフィット・ロートシルトのワインはネットから購入可能ですので、是非一度味わってみられてはいかがでしょうか。
シャトー・ラフィット・ロートシルトの商品一覧（Amazon） 
英国女王を歓迎して行われた宮中晩さん会は、現時点でこれが唯一であり、ここで供されたワインは、最上級のおもてなしスタンダードとして永久に記憶されていくものだと思います。特別な日や大切な方への贈り物として、是非お選びになってみてはいかがでしょうか。
